藤井総一郎 新谷大悟 木村真衣子 今尾武士 村山晃三 竹内誠
現在、血液内科専門医3名、医師1名、専攻医1名、非常勤医師1名で診療を担当します。
対象疾患は、悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群のほか、多発性骨髄腫、骨髄増殖性腫瘍、造血障害、各種貧血、血小板減少疾患、凝固異常症等です。
南館4階病棟に無菌室5床を整備し急性白血病に対する強力な抗がん剤治療に利用しています。
悪性リンパ腫98名、急性白血病24名、骨髄異形成症候群13名、多発性骨髄腫11名、その他、特発性血小板減少性紫斑病など
悪性リンパ腫84名、急性白血病32名、骨髄異形成症候群20名、多発性骨髄腫13名、再生不良性貧血6名、その他、特発性血小板減少性紫斑病など。
悪性リンパ腫86名、急性白血病20名、骨髄異形成症候群22名、多発性骨髄腫9名、慢性白血病6名、再生不良性貧血3名、その他、特発性血小板減少性紫斑病など。
医師、看護スタッフ、薬剤師、がん相談支援センター支援員による 多職種カンファレンスを行いスタッフ間で治療方針や診療上の問題点を確認し患者情報を共有します。
当科では後期研修医を募集しています。病院見学を希望される場合には当院人事課へご連絡ください。
当科は、日本血液学会、日本臨床腫瘍学会、日本がん治療医認定機構の教育研修施設です。 取得可能な資格は日本血液学会専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、日本がん治療医認定機構認定医です。
当科は岡山大学血液腫瘍内科の関連施設です。同科が主催している岡山血液疾患研究グループ(Okayama Hematology Study Group:OHSG)の臨床研究へ参加しています。
急性白血病の治療では、日本成人白血病共同研究グループ(Japan Adult Leukemia Study Group:JALSG)や日本細胞移植研究会(Japan Study Group for Cell therapy and Transplantation : JSCT)の臨床試験に参加しています。
悪性リンパ腫はリンパ組織由来の悪性疾患です。 治療は主に抗がん剤による化学療法です。局所治療が必要な場合には放射線治療を行います。 完全寛解とその後の治癒を目指します。化学療法は治療ガイドラインに従い標準治療を行います。 保険適応のある新規抗がん剤の早期導入を心がけます。
急性白血病は急速に進行する悪性疾患です。無治療の場合短期間で致死的となります。強力な化学療法により寛解を得た後、寛解後化学療法や造血幹細胞移植を行うことで治癒を目指します。
骨髄の造血機能に異常が生じ血球が減少する悪性疾患です。高齢者に多く、一部は白血病へ移行します。血球減少のみの場合は造血刺激薬、白血病化の傾向があれば化学療法を行います。
高齢者に多い悪性疾患です。免疫グロブリンを産生する形質細胞が腫瘍化します。完治は難しい疾患ですが、多数の新薬の導入により、長期生存が可能になっています。
現在、当科では造血幹細胞移植は実施しておりません。造血幹細胞移植が必要な場合には岡山大学等と病院連携をして施行しております。
悪性リンパ腫はリンパ組織の悪性疾患です。その半数は頚部、腋窩、そけい部のリンパ節に生じ、残り半数は全身の臓器に生じます。頻度の多い臓器や部位は胃、扁桃腺、鼻腔、大腸、甲状腺で、その他、肺、肝臓、膀胱、骨、皮膚、骨髄に病変を生じます。
悪性リンパ腫は、組織分類ではホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。患者数が多いのは非ホジキンリンパ腫です。さらに非ホジキンリンパ腫はB細胞型リンパ腫とT細胞型リンパ腫に分類されます。組織分類の種類は多く、およそ30種類から40種類もの組織分類があります。
組織分類は、病気の進行する早さを示す悪性度と関連します。悪性度は、週単位で急速に進行する高悪性度、月単位で病期が進行する中悪性度、数ヶ月から年単位で緩徐に進行する低悪性度の3つに分類されます。中悪性度の中で患者数の多い組織型はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫で、低悪性度の中で患者数の多い組織型はろほう性リンパ腫です。
リンパ節腫脹を認めた場合、診断目的にてリンパ節生検を行います。病理検査により組織診断を行い、さらにリンパ腫細胞の表面蛋白マーカーの分析や遺伝子の束である染色体検査にて予後不良因子を判断します。
症状として、リンパ節原発の場合には頚部、腋窩、そけい部にリンパ節腫脹を生じます。通常、腫脹したリンパ節は硬めで痛みを伴うことはまれです。臓器に病変を生じた時には、臓器特有のがんの時と同じ症状を認めます。進行期の場合には、発熱、食欲不振、体重減少などの全身症状を伴います。
悪性リンパ腫での検査の目的は、臓器予備力の評価、合併症の確認と病気の広がりを判定することです。血液検査にて肝機能検査、腎機能検査を行い、胸部レントゲン検査、心電図にて各臓器の予備力を判定します。また、B型肝炎、C型肝炎の有無や糖尿病の有無について評価します。
病気の広がりについては、画像検査では全身CT検査を行います。可能であれば近医にてPET-CT検査を行います。PET-CT検査では微小なリンパ節病変や、骨病変や肝臓、脾臓へのリンパ腫の浸潤の検出も可能です。また、胃カメラ検査にて胃病変と骨髄検査にて骨髄中へのリンパ腫細胞の浸潤の有無を判断します。
病気の進展を示す臨床病期は、病変が局所に限局した1期、2期と病変が広い範囲に進展した3期、4期に分類されます。通常、1期、2期では、抗がん剤を用いた化学療法3コースと放射線治療の組み合わせ治療を行い、3期、4期の進行期では、原則3週間に1回の割合で化学療法6コースを行います。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する標準治療は、リツキシマブを併用したCHOP療法です。CHOP療法は、エンドキサン、アドリアマイシン、オンコビンの3種類の抗がん剤と副腎皮質ホルモン剤のプレドニンの合計4剤を組み合わせた治療です。非ホジキンリンパ腫に対して有効で従来の標準治療です。リツキシマブは、リンパ腫細胞の表面にあるCD20蛋白に対する抗体です。CHOP療法に併用することで上乗せ効果があります。CD20陽性リンパ腫に対してリツキシマブ併用CHOP療法は標準治療として位置づけられています。治療効果として8割近い患者で病変が全て消える完全寛解が得られ、5割近い患者で再発のない治癒が期待できます。
新しい標準治療としてポラツズマブ・ベドチンとリツキシマブを併用したCHP療法を実施しています。治療効果の改善が期待できます。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む中悪性度リンパ腫の予後は、 (1)年齢 (2)血液検査のLDH (3)全身状態 Performance Status (4)臨床病期 (5)リンパ節以外の病変の数 の5項目からなる国際予後指数により低リスク群、低−中リスク群、高−中リスク群、高リスク群の4群に分類されます。国際予後指数での高リスク群や、治療抵抗性を示す染色体異常が検出された症例や早期に再発した症例では、65歳以下の若年であれば、再発予防を目的として自家末梢血幹細胞移植を組み込んだ治療計画を検討します。
ろほう性リンパ腫は病状が緩除に進行する悪性リンパ腫です。無治療でもあまり病状が進行しないこともあり、明確な標準治療が確立されていません。推奨される治療内容や治療方針には、1.従来の化学療法の実施、2.新規の化学療法の実施、3.リツキシマブまたは新規の抗CD20抗体ガザイバを併用した化学療法の実施、4.リツキシマブの単剤治療、5.無治療にて経過観察などがあります。当院では診断後はタイミングを見てリツキシマブ併用化学療法、またはリツキシマブ単剤治療の実施を勧めています。また、再発や再燃を認めた場合にも明らかな進行がなければ経過観察としています。
高悪性度の悪性リンパ腫の場合、CHOP療法では治療効果が十分ではなく再発する危険性が高いため強力な化学療法を実施します。治療が著効した場合には治癒が期待できます。
悪性リンパ腫の治療では、一定の期間内に治療スケジュールを完遂することが大切です。その結果、多くの患者で寛解導入とその後の治癒が得られます。具体的には、感染を含む治療関連の合併症の予防と、合併症の発症時には早期診断と治療を行い重症化させないことが重要です。
急性白血病は、骨髄中の幼弱な細胞が腫瘍化し急速に進行する悪性疾患です。無治療の場合は数日間で致死的となります。症状は、発熱や肺炎などの感染症状、息切れや動悸などの貧血症状、鼻出血や歯肉出血、出血斑などの出血症状を生じます。急性白血病が疑われた場合は骨髄検査にて、腫瘍細胞の細胞形態分類、表面蛋白マーカーの分析や染色体検査、がん関連遺伝子検査を行います。
急性白血病は、急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ性白血病(ALL)に分類されます。AMLの中には治療の異なる急性前骨髄性白血病(APL)があります。またALLは、フィラデルフィア染色体(Ph)陰性ALLとPh陽性ALLに分けられます。
予後因子は、AMLでは、年齢、白血球数、形態分類、染色体異常などがあります。近年は遺伝子異常にて予後良好群、予後中間群、予後不良群に分類されます。
ALLでは、以前はPh染色体陽性は予後不良因子でした。Ph陰性ALLでは年齢、白血球数、染色体異常、寛解に要した期間などにより高リスク群を判定します。高リスク群や治療効果が十分でない場合には造血幹細胞移植を検討します。
治療は強力な化学療法です。初回治療では白血病細胞が消失し造血が正常となる完全寛解を目指します。ぞの後は、白血病細胞をさらに減少させるため強力な化学療法を反復します。病型により維持療法を行います。再発の危険性が高い高リスク群や、再発後に再度の治療で再び完全寛解となった場合は造血幹細胞移植を検討します。
AMLの標準治療として寛解導入療法では2種類の抗がん剤を行い、8割の患者さんが完全寛解となります。その後、地固め療法を3回から4回行います。予後良好群で7割、予後中間群で4割、予後不良群で2割の治癒が期待できます。
APLは、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併し出血症状を伴う白血病です。レチノイン酸内服にて白血病細胞を正常白血球へと変化させる分化誘導療法が有効です。レチノイン酸の内服と抗がん剤治療を併用して、9割以上の患者さんで完全寛解が得られます。寛解後は化学療法と亜ヒ酸を用いて地固め治療を行います。
Ph陰性のALLの治療は、4種類の抗がん剤と副腎皮質ホルモンを併用し3週間かけて寛解導入療法を行います。8割の患者さんが完全寛解となります。寛解後は数回の地固め療法を行います。その後は内服薬などでの維持療法を2年間継続します。また脳神経再発を予防するため抗がん剤の髄腔内注射を併用します。
5割の患者さんで治癒が期待できます。新たな抗体療法も導入され、難治性の場合や再発の場合でも再度寛解に導入した場合は、造血幹細胞移植を行い、長期生存を目指します。
チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)と化学療法の併用治療により9割以上の患者さんで完全寛解になります。寛解後に造血幹細胞移植を実施すると高率に治癒が期待できます。
65歳から75歳までの高齢者では、1.臓器合併症の有無、2.がん遺伝子検査の結果と本人の希望を考慮して、治療を強力な化学療法とマイルドな治療の選択を判断します。
判断には慎重な対応が必要です。
骨髄異形成症候群(MDS)は造血幹細胞の異常により生じる血液のがんです。進行は緩徐で無症状で見つかることも多くあります。MDSは、高齢者に生じ、骨髄検査では、赤血球、白血球、血小板の造血細胞に形態異常を認めます。異常血球は正常に造血しないため、貧血、白血球減少、血小板減少などの血球減少を生じます。重症の場合には赤血球や血小板の血液製剤の輸血が必要です。一部のMDSでは骨髄芽球の増加を生じ、進行すると急性白血病に分類されます。
MDSは、造血細胞の形態異常、骨髄芽球の増加の有無、染色体検査での異常の有無より、(1)不応性貧血、(2)単系列の細胞異形を伴う不応性血球減少、(3)多系列の細胞異形を伴う不応性血球減少、(4)環状鉄芽球を伴う不応性貧血、(5)過剰芽球を伴う不応性貧血−1、(6)過剰芽球を伴う不応性貧血−2、(7)分類不可能なMDS、(8)5qマイナス症候群 に分類されます。
症状は、貧血症状では動悸や息切れ、白血球減少では肺炎や敗血症など感染や発熱、血小板減少では鼻出血など粘膜出血や手足の紫斑など出血を生じます。 骨髄検査では造血細胞の形態異常の有無、骨髄芽球の増加の有無を判断します。
MDSは治療により根治することが難しい疾患で、治療目標は良好な状態での延命です。治療は低リスク群には、蛋白同化ホルモン剤の内服やサイトカイン療法を行い、赤血球造血を刺激するエリスロポイエチン製剤を使用します。芽球が増加するタイプでは、標準治療としてアザシチジン治療を行い、有効な場合には治療を継続します。
70歳以下で全身状態に問題がない場合、根治を目指して造血幹細胞移植を検討します。
5年生存率:対象は平成27年から令和5年までの新規患者91名、平均年齢69歳(23歳ー92歳)
※化学療法単独例と骨髄移植実施例が混在しています。
(5年生存率、対象は平成21年から30年までの新規患者335名)
(1)全体74%、(2)年齢65歳以下78%、65歳から80歳74%、(3)臨床病期1期及び2期86%、3期及び4期60%
ただし、80歳以上の超高齢者は治療成績の対象外としました。
昭和62年卒業
平成12年卒業
平成26年卒業
平成31年卒業
令和2年卒業
昭和58年卒業
平成23年卒業
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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藤原 知洋 | 中山 博誉 | 安東 千裕 | 田中 駿二郎 | 奥山 隆貴 |
横出 彩加(1・3・5週) | 波頭 佑香(1・3・5週) | 中井 優 | 村山 晃三 | 中山 智博(1・3・5週) |
前川 玄輝(2・4週) | 佐藤 美純(2・4週) | 松尾 知明(2・4週) |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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藤原 隆行 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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藤井 総一郎 | 今尾 武士 | 藤井 総一郎 | 新谷 大悟 | 木村 真衣子 |
新谷 大悟 | 竹内 誠 | 竹内 誠 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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宮下 雄博 | 牧田 文子 | 渡辺 恭子 | 塚本 啓子 | 藤原 隆行 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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岡田 震一 | 渡辺 恭子(第1週のみ) |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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早川 信彦 | 早川 信彦 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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早川 信彦 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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小山 芳伸 | 小山 芳伸 | 志田原 健太 | ||
志田原 健太 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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蒲生 直幸 | 蒲生 直幸 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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秋田 光洋 | 安井 稔博 | 井上 雅文 | 永井 裕大 | 井上 雅文 |
小島 一展 | 吉村 恵美子(1・3・5週) | 秋田 光洋 | 安井 稔博 | |
藤森 信昭(2・4週) |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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小橋 春彦 | 歳森 淳一 | 小橋 春彦 | 歳森 淳一 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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原田 亮 | 秋元 悠 | 原田 亮 | 秋元 悠 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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細川 忍 | 別所 昭宏 | 萱谷 紘枝 | 別所 昭宏 | 細川 忍 |
安東 千裕 | 佐久川 亮 | 佐久川 亮 | 萱谷 紘枝 | |
田岡 征高 | 田岡 征高 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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佐久川 亮(喘息) | 別所 昭宏(禁煙外来)※隔週 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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福家 聡一郎 | 田中 正道 | 福家 聡一郎 | 齋藤 博則 | 田中 正道 |
和多 一 | 藤原 知洋 | 和多 一 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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齋藤 博則(ペースメーカー外来) ※第2週のみ | 田中 正道(ペースメーカー外来) ※第2週のみ | 循環器内科医師(ペースメーカー外来) ※第2週のみ | ||
福家 聡一郎(下肢血管外来) ※第2週以外 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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武久 康 | 武久 康 |
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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武久 康(事前予約) |