• 岡山市認知症疾患医療センターです。
  • 電話でのご予約・お問い合わせは
  • TEL.086-222-8843

第3回世界アルツハイマーデーin岡山(H26.9.25)

岡山市オレンジプランについて

1. 認知症カフェはたくさん出来るのですか?また認知症カフェ、いつどこで、どのようにする計画なのでしょうか。どのような支援が受けられるのでしょうか

平成26年度は二か所で開設します。今後は各福祉区に1か所を目指して増やしていく予定です。認知症の方や家族の方が気軽に立ち寄り話ができる場を目指しています。

2. 地域で住み続けるための施策とありますが、実際に町内会や消防・学区などで動きはありますか?

認知症カフェや認知症になった際、その人を見つけるためのネットワークの構築どを行っていく予定です。

3. 若年性認知症、どこに相談に行ったらよいのでしょうか?包括?保健センター??

保健所および各保健センター(市内6か所)では、こころの健康(精神疾患)に関する相談を受け付けております。お近くの保健センターにご相談ください。

4. オレンジリボンと同じ“オレンジ”の意味ですか?なんでオレンジプランという名称なのか

認知症サポーターになった方のしるしとして配っているリングがオレンジです。オレンジは認知症を応援する人のイメージカラーとなっているため、この計画もオレンジプランと名付けています。

5. 若年の認知症の方の単独生活の方への援助・政策がありましたら教えてください

認知症の診断後、40歳以上であれば介護保険の申請が可能ですので、各地域包括支援センターや各福祉事務所にご相談ください。また、保健所および保健センターでは、介護保険サービスに相当するものがない、障害福祉サービス(就労移行支援・就労継続支援・自立訓練等)の利用についてのご相談をお受けいたします。

6. 岡山市に住んでいたら認知症疾患医療センターに相談すればいいんですか?他市に住んでいたら岡山市認知症疾患医療センターに相談してはいけないですか

岡山県には6つの疾患医療センターがあり、担当地域は決まってはいますが、どの疾患医療センターも担当地域以外の方が受診できます。

7. 認知症早期集中支援チームが国の施策等の重要施策となっているが、岡山市では現在何チーム作っておられますか?取組状況は?

今年度中は1チームを作り、活動を行う予定です。

8. 徘徊SOSネットワークの登録運動など取り組まれるのか?

今後、SOSネットワークの構築も検討しています。

9. 岡山市における認知症施策の指針の4番目、講習会は家族だけでなく中高生の講習をお願いしたいのですが

認知症サポーターの養成は、口座を希望されるおおむね10名以上の団体に行っています。小学校や高校でも行っています。

若年性認知症について

1. 経済的なところを聞きたい

65歳未満の停年前に発症するため、経済的な支援が必要です。収入がなくなるため、ローンの支払い、家族の教育や生活にも影響してきます。障害年金の申請や単身であれば生活保護の申請を行い、年金の範囲内で生活支援ができる施設を探すこともできます。どの様な経済的な支援が受けることができるかハンドブックが公開されており可能な支援をお知らせしています。病院ソーシャルワーカーや福祉事務所でご相談もできると思います。 

2. 若年性も増加していると思うが対策は? 

全国で4万人と推定されていますが、若年性認知症が増加しているというデータはありません。若年性認知症は働き盛りの世代ですから、本人だけでなく、家族の生活への影響が大きいにもかかわらず、支援も十分ではないことから、社会的にも大きな問題です。介護の現場でもまだ認識が不足しているのが現状です。行政機関はオレンジプランで実体の調査を進めると同時に、コールセンターを設置し、インターネットでハンドブックを公表して可能な支援をお知らせしています。

 3. 親子で前頭側頭型認知症と言われた。「遺伝」は今現在どう考えられているか、教えていただきたい。

 海外では高い家族歴を認めますが、わが国においては、ほとんどの患者さんは、家族歴はなく遺伝するものではないと考えられます。蓄積蛋白と異常遺伝子の違いで数種類の遺伝性前頭側頭型認知症が報告されています。家族性の場合には、タウ遺伝子、TDP-43遺伝子、プログラニュリン遺伝子などに変異が見つかっていますが、わが国でいくつかの家系が報告されているだけで、ごく希で疫学的な統計もないようです。

 4. 50代で発病。仕事も失い自宅で何もせず過ごしている毎日の男性について。病院の医師よりかなり高い確率で二人の息子もいずれ認知症になるだろうと説明を受けたと妻が言っている。息子の将来を案じ、妻は不安・希望がなく、夫を疎ましく思い、夫婦仲がとても悪い。かけてあげられる言葉があるか? 遺伝性の若年性認知症について知りたい。

若年認知症に限らず、難病の方への支援や治療への研究が求められています。遺伝性であるかないかに関わらず、病気は人類が持って生まれたものです。私たちは発病すれば死んでしまうという致死的遺伝子を平均2個持っていると遺伝病に詳しい先生の講義で聞いたことがあります。健常であると思っているだけで、たまたま発病せずに済んでいるだけというのが事実の様で大変ショックを受けました。病気になったことを不幸とせず、幸不幸は心が決めることだということに気がつけば、これからの生き方も変えることができそうです。

 

 人間は病気にならなければ百二十五才まで生きられるんだって

 そういうことを書いた本が売れてるそうだよ

 だけど病気がなくなったらさあ

 あの人たちのことだもの体を酷使して

 かえって早死にしちゃうんじゃないかねえ

 そろそろねようか冬は眠るのにかぎるよ

 そうだね春までおやすみなさい(土の中の会話)

 

という頚随損傷で手足が不自由になった星野富弘さんの詩があります。

将来のことはわかりません。希望がないと思うのは、そう心が決めているだけで、病気になったことで得られることもあると気づくと苦も楽に変わるかもしれません。

5. 標準的な認知症のケアパスにそぐわない点をもう一度説明願います。

認知症の家族を支える子供が自立していなかったり、突然収入が無くなったりと、高齢発症の認知症とは生活環境や経済環境が異なり、若年認知症の人の求めている支援が異なっています。高齢者を対象としたデイサービスにも馴染みません。できるだけ自宅での生活を進めようとしている高齢者用の標準的ケアパスでは不十分は点が多く、個別に支援のプランを立てる必要があります。そぐわないと説明したのはそういう意味でした。

認知症と食事について

1. 食べたがらない人への対処は?

口腔や歯に問題はないか確認していただいて、口の中の手入れや治療も考えましょう。噛んだり飲み込んだりする力が弱くなってきた人には弱い力でも食べやすい食事にします。やわらかい料理やきざんだり、ミキサーにかけたり、窒息や誤嚥を防ぐためにとろみをつけることも大切です。また、手で持って食べるものもそれが食べものであると認識してもらいやすいです。小さなおにぎり、ひと口サイズののり巻きやサンドイッチなどはどうでしょうか。

2. 病院食は認知症の方にも有効でしょうか?

生活習慣病を予防する食事は認知症を予防する食事とも言えますので、病院食は栄養バランスのとれた減塩食という点では予防には有効でしょう。

3. 筋力の低下が目立つので高たんぱくな食事で(少量で)筋肉をつけるのは何か良いものがありますか?プロテインの使い方など

蛋白質食品を多めにとります。食べやすい豆腐や卵だけでなく、魚介類や肉類を積極的に食べましょう。乳製品もお勧めです。栄養強化食品の利用もよいです。必須アミノ酸が多く含まれた食品を選び、同時にビタミンB6、D、K、カルシウムをとります。

4. 抗酸化物質(ビタミンやカロチノイドなど)は野菜などをとればよいという事ですが、サプリメントで代用するのは効果に差があるのでしょうか?(ビタミンC・E、β―カロテン、ブルーベリー、レスベラトロール、セサミン、イソフラボンなど)

抗酸化物質をを確実にとるためにサプリメントを利用するかたもいますが、とりすぎたり、偏ったりすることが否定できないので、現状は食事からとることを優先した方がよいでしょう。食生活の影響は10年20年という長い年月をかけて出てくるものであり、食べ物にはいろいろな栄養素が含まれています。半年や1年、特定のサプリメントを摂取したからといって過大の期待をしないほうがよいかもしれません。また、サプリメント単独では予防効果を期待することはむずかしいという結果もでています。

5. 魚嫌いの認知症家族に対して調理の工夫をどうすればよいでしょうか

フライ、から揚げ、ムニエル、グラタン、シチュウ、お刺身などは煮魚や焼き魚よりにおいが少ないので食べやすいでしょう。味がしっかりしてメリハリのあるものがよいでしょう。

6. 食事をするときに理解・認識できないのか食べるまで時間がかかり困っています。どういったケア方法をしたらいいでしょうか(食事中、茶碗などで遊んでしまいます)

「さあ、食べましょう」と声をかけたり、最初のひと口を口の中に入れるまで誘導してあげます。また、介助者が対面にすわり、同じものを食べてみせます。

料理ごとに食器を用意するのではなく、1つのお皿やどんぶりに盛り合わせることや黒いお盆に白い食器、黒い茶碗に白いご飯など視覚にメリハリをつけてみましょう。

前頭側頭型認知症について


1.妻が前頭側頭型認知症(ピック病)にて1年半前から入院加療中。主治医より死に至る

期間を5年と考えてくださいと言われ、1年経過。この先どうなるのでしょうか。また家族としてどう接し、その時を待てばよいのでしょうか。認知症の進行は止められない、とりわけ若年者の進行は早いと聞いています。ぜひともアドバイスをお願いします。

個人差があり一概には言えませんが、明日より今日の方が良いということは言えます。したがってご家族の方は今日を大事に優しく接してあげてください。何に興味を持っているか行動を観察し、自然体で接してください。本人の生活史からケアの手掛かりを探してください。言葉に問題があれば、コミュニケーションの工夫をしましょう。無理強いはやめましょう。なじみの道具を使いましょう。

2. 入院中に生活リズムを整える事が可能ですか?どれくらいの期間の入院ですか?

可能です。入院期間は数週間と考えますが、担当の先生によく聞いてください。

3.病気(糖尿病)との関連がありますか

前頭側頭型認知症とは関係がないと思います。

4. 記憶が出来ない、言葉が発せられないなどの症状があり、どのように接すればよいか?

記憶力は低下しますが、全てを覚えていないということはないので覚えている部分を評価してください。言葉が発せられない人については非言語的コミュニケーション、例えば身振り手振りなどで接してください。

5.若年性でも増えていますか?

若年性認知症の原因疾患としては第3位です。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症のような明らかな増加傾向はないと思います。

6.検査はどのくらい時間がかかるのか。内容は?(もともとイライラする人なので長時間の検査が難しい)

脳MRIは約30分、脳血流検査は約30分あまりかかります。じっとしていられない人は脳のCTをとります。これは数分で取れます。

7.早期に発見されると投薬などでどれくらい病状が改善されるのですか?

基本的に薬の効果は残念ながらあまり期待できません。抗精神病薬、抗うつ薬、抗認知症薬が比較的短期間、症状の軽度改善をもたらす可能性はあります。

8.予後について教えてください(個人差があると思いますが)早く進行するの場合はどのような例?遅く進行する場合はどのような例?平均的にはどのような感じなのか?

予後については個人差があり、およそ3年~7年あるいはそれ以上の人もおられます。どのような人が早く進行し、どのような人が進行が遅いのかはよく分かっていないと思います。寝たきりになる理由がなんであるかによって状況は変わってくると思います。たとえば腰を痛めたり下肢の骨折があれば早期に寝たきりになる可能性があると思いますが、そうでなければさほど早く寝たきりになることは少ないと思います。

9. 年を重ねると全体に脳が委縮するのか?

大脳は年齢とともに委縮しますが、海馬はさほどではないと言われています。

その他

1. 夫婦二人暮らし。妻はヘルパーが訪問すると態度が悪くなっている。介護度や要介護2.食器洗いには1時間以上かけているが、初対面の人との会話は成り立つため、普段からともに暮らしている夫には変化は分かっているが、他人には中々理解してもらえない。夫への対応は?

理解されているご家族などで話を聞いて差し上げる、家族会などに参加されてはいかがでしょうか。

2. 両親が老老介護をしている。父が認知症であるが、母は管理が出来ていない。今後どうしたらよいか?

介護保険の認定を受けて、サービスの利用などを検討してみてはいかがでしょうか。

3. メディアで認知症治療薬が開発されるという事を聞いたことがあります。進捗状況を教えてください

少なくともここ数年以内に上市される予定の抗認知症薬はないと理解しています。臨床試験の投与用はAlzforumというサイトに掲載されています(英語ですが)

4. 最近の裁判で、認知症の人の家族の責任が問われ4000万円からの損害賠償を家族が支払うことになりました。このような認知症は介護認定を受けた認知症、また後見人がついた認知症でしょうか。家族が認知症と理解していない、介護認定等の機関の世話になっていない場合でも家族の責任が問われるのでしょうか

介護認定は持たれていたようです。認知症の方の介護責任については家族だけでなく地域や行政で考えていくべき問題だと思います。

5. グループホームに勤めています。入居者様で「寒い」と言いながらも服を脱ぐ方がいらっしゃるのですが、なぜそのような行為をするのか理解できずにいます。ぜひ教えてください

「寒い」という言葉の意味が理解できずに発している、また寒いという状況に対してどういう対応をすべきなのか(服をしっかり着るなど)分らない、ということが考えられます。その場の環境(室温)やご本人の体調の確認、また服の着方などを教えてあげるなどの対応をしてみてはどうでしょう。

6. 家族のケアが大事と思うが、ケアする側が疲労で倒れたり、限界を感じたら、共倒れになってしまう。最終的に行きつく先が見えません。

介護サービスなどを利用して介護負担の軽減を図ってみてください。また家族の会などへ参加して他のご家族と話をしてみられてはいかがでしょう。

7. お年寄りの特徴ではありますが、私たちが見てもう使わないような日用品を中々捨てられない、また同じ調味料が何本もある、というのは心配ないでしょうか?

物を捨てられないというのは個人の価値観の違いもあると思います。同じものを何度も購入するというのは物忘れの可能性も考えられます。ご心配でしたら一度専門医の受診をお勧めします。

8. 長谷川式検査とはどんな検査方法なのか教えてください。何点が境かも教えてください

簡易知能検査で日付・場所などの見当識、記憶力、前頭葉機能の問題など9項目30問からなります。また言語を用いた検査であるため、失語症や難聴などがある場合は検査が難しくなります。

境は20点です。20点以下だと認知症の可能性が高いため、早めに病院を受診をお勧めします。また、20点以上でも記憶力、見当識などが出来ていない場合はMCIの可能性もあります。

9. 一人暮らしの場合、発見が遅れたり、最悪の場合、発見されないのではないか不安です

地域の方へご協力をお願いしたり、地域包括支援センターなどへ相談しておかれてはどうでしょう。また緊急通報システムなどのサービスも利用が検討できると思います。

10.内科医に受診したら大量の薬が処方されると聞いたのでまず何科に受診すると理想ですか?

認知症の専門医であれば、精神科、神経内科などが担当科になると思いますが、医療機関によって異なる場合もありますので、各医療機関にご相談されるとよいと思います。

地域の保健師の働き、関わり方・方向性等々大切だと思います。

11.家族の支援について主に相談できるところは

地域包括支援センター、認知症の人と家族の会、認知症疾患医療センターなどへご相談ください。

12.経済的に生活ができません。生きていけません

病気や障害などのために収入が得られないのであれば、条件がありますが障害年金や傷病手当などを検討できると思います。また他に利用できる制度がなければ、生活保護も検討されてはいかがでしょうか。

 
 

ページの先頭へ移動